論文投稿した。
先日、論文を投稿した。
そのときに、ORCIDというものを登録させられた。
今までの歴史の中で論文はたくさん書かれてきたけれど、その過程の中で同姓同名のひとがたくさんいるらしく、そういう人々を区別するためにも研究者ひとりひとりに紐付いたidを持っておきましょう、という流れが起きているらしい。ORCIDはそのためのidだそうだ。
そんなわけで、人生初の論文が完成した(まだacceptされたわけではない)のは嬉しい。今年中にもう一本書けると良いな、と思ったり思わなかったり。ただ、成果ばかり追い求めても虚しいので、学問の楽しさも忘れないように頑張りたい所存だ。
今年もよろしくおねがいします。
久しぶりに書く
久しぶりにブログを書きます、よねすけです。大学院生になって思ったよりも忙しいことがわかったので、いろんなことを要領よくこなしていかないとだめだな〜と痛感する最近です。
さっきこんなことを知って面白かったのでブログにでも書いて見る。
はじめに床関数というものを導入します。床関数は与えられた実数に対してそれ以下の最大の整数を返す関数です。例えば
となります。このとき、次のような面白いこと知られているらしいです。
- ...
こんな感じでどんどん続いていくらしいです。本当にそうなっているのか、証明してみましょう。
証明
一般に示すべきことは、
とした時に
となります。このとき、
がわかるので、上の不等式は常に成り立つことがわかります。よって証明されました。
まあ、こんな感じで証明はできるけど、できるだけ、という感じが否めないですね。。。この式が成り立つことの背後にはなにかすごい法則があったりするんですかね。。。何か知ってる人がいらっしゃればぜひ教えてください。
それでは。
フーリエ級数の一様収束性
こんにちは、よねすけです。
院試勉強してると色々気づきがあって面白いです。大半は面白くないですが。
周期的な可積分関数のフーリエ級数がどのようなときに元の関数に収束するかについては色々な議論がなされています。例えば周期的連続関数でフーリエ級数が絶対収束する関数についてはフーリエ級数はもとの関数に一様収束することが知られています。一方で連続関数でもそのフーリエ級数が発散する場合もあり、非常に複雑な世界となっています。これだけでは連続関数はフーリエ級数を扱う上ではあまり良い性質を持っていないように思えますが、ここで収束の意味を拡張することによって連続関数を常に一様収束させることができるようになるのです!!!前置きが長くなりましたが今回はこの話について書こうと思います。
はじめにフーリエ級数の部分和を定義します。周期的な可積分関数についてその複素フーリエ係数をと書きます。すなわち、
実はこのフェイエール核は良い核(good kernel)となっています。周期的な関数の列が良い核というのは、
を満たすものようなことを言います。フェイエール核が良い核であることは実際に確かめられます。良い核については次の定理が知られています。この意味において「良い」という名前がついています。
を良い核の列とし、を周期的可積分関数とします。がで連続ならば、この定理より、連続関数についてはがわかるのです。よって連続関数はチェザロ総和の意味では常に一様収束するのです。である。特にが連続ならこれは一様収束である。
それでは。
メルカトル級数とライプニッツ級数
こんにちは、よねすけです。
TOEICの点数が返ってきました。なななんと!!!945点!!!とても嬉しい点数でした!!!ちなみに『なななんと』は『ララランド』を意識しました。
メルカトル級数やライプニッツ級数を導出する方法はいろいろと知られていますが、今回は高木貞治の『解析概論』に載っていたある公式から導出することが出来たので紹介したいと思います。
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とすれば、
はじめにこの証明に取り掛かろう(章末問題に載っていて証明が載っていない!!)としたんですが若干厄介でした。上式の左辺を次のように変形します。
このように書くのには訳があって、被積分関数の分母部分をべき展開する際に収束半径が問題になってくるからです。いまの区間では
としたいところなんですが、途中で出てきた極限の交換については言及しておかなければなりません。ここの極限操作を交換できることはAbelの定理と同様の証明を行うことで示されます。なのでこれは収束が確かめられるので極限の交換は正当化されます。これよりはじめの式が示されました。
の場合、左辺は
の場合、左辺は
このようにしてメルカトル級数、ライプニッツ級数が得られました。今回はAbelの定理を用いたのでAbelの定理の紹介もいつかしたいと思います。また、メルカトル級数、ライプニッツ級数の別の証明も紹介したいと思います。
それでは。
二重級数
先日、塾講をしているときに出てきた問題が面白かったのでここに取り上げることにしました。
次の無限級数の和を求めよ。
まずは普通に解いてみましょう。
とおいてみると、は次のようになります。
これより上の無限級数の部分和を求めると、
よって無限級数の和はのであるから、
高校生はこれで解けば満点がもらえると思います。でも大学生らしい方法でも解きたいので以下のような方法も考えました。
最初にこの問題を見たとき、各括弧内の指数部分の取り方に作為的なものを感じました。ぼくはこれを次のような表から得られたものではないか??と考えました。
この表を見れば上に導入したは表のn行1列から1行n列に向かう直線上の和に対応することが分かります!!!!!このような和の取り方を二重級数の対角線式の番号の付け方と呼びます。このことは毎度おなじみの高木貞治の解析概論に載っています。
表の各要素の値は正であるからこの無限級数は収束するならば絶対収束する、すなわち和の順序によらないことが分かります。なので和の順序を交換するためにはこの無限級数が収束することをはじめに示さなければなりません。が、まあ入試問題に出ているなら収束やろ??と思ってしまってこの級数が絶対収束するものとして和の順番を変えてしまいましょう。*1
順番の変え方としてはいろいろあると思いますが、ここでは各行を足しあげてみましょう。するとこの無限級数は
となり上と同じ値が得られました!!!各列を足しあわせても同じ値が得られることはすぐに分かります。
高校生の解く問題を大学数学の観点からちょっとテクニカルに解いてみました。こういうのも面白いですね。
それでは。
*1:とは言ってもきちんと示す必要があります。よりがわかるので収束することが示されます。
古典電子半径
こんにちは、よねすけです。
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体の電子による電磁場の密度エネルギーは
このとき、静止した電子が半径、電荷がの古典的小帯電体球とみなしてみましょう。このとき電場は電子からの距離を用いて、
相対論の結果を援用するならば静止質量が持つエネルギーは
電子が点電荷であるものとすれば、としなければなりません。そうすると電磁場の全エネルギーは無限大に発散してしまいます。これは古典的な電子のモデルがうまくいっていなことを意味しています。また量子力学においても電子は点電荷であるとみなされる(らしい)のでこの無限大の自己エネルギーの困難は量子力学でも引き継がれることになるそうです。
量子論における電子の議論は僕はあまり詳しくないので理論電磁気学のことをほぼそのまま書くままになってしまいました。この分野についても勉強していきたいと思います。
それでは。